呼称
説明
Cartrige Fillter(CF)
カートリッジ式
カートリッジを差し込み、突起に押し当てカートリッジに穴を開けることでインクを供給する。携帯に便利で比較的低価格のものに多い。世界共通規格のものが主流だが老舗メーカーは独自の規格のものを使用することが多い。
両用式(CF)
コンバーター式
上記のカートリッジとコンバーターと呼ばれる、着脱式の吸入器どちらでも使用可能なタイプ。コンバーターにはスクリュー式のもの、スポイト式のものなど色々ある。カートリッジ式の大半がコンバーターも使用できるのが普通。
Piston Filler(PF)
ピストンフィラー
ドイツのペリカンが始めた方式。尻軸を回しピストンが下がりきったところで、元に戻すとピストンが上昇しインクを吸い上げる。高級ラインに多く、インクボタオチに対しもっとも信頼性が高い。50年代以前の機種はシールにコルクを使用している。
Lever Filler(LF)
レバーフィラー
レバーを引き上げると内蔵されたラバーサックが押しつぶされ、レバーを戻とサックが弾性で元に戻りその負圧でインクを吸い上げる。1940年代では低コストなため最も一般的であった。
Cresent Filler(CF)
クレセントフィラー
アメリカ、コンクリン社の特許であった吸入方式で、三日月形のボタンを押して離すとインクを吸入する。普段は胴軸についているリングでロックしボタンを押してもラバーサックを押さないような機構となっている。
Push Button(PB)
プッシュボタン式
尻軸を取り外し、ボタンを押すと内蔵されたプレッシャーバーがたわみ、ラバーサックを押しつぶし、その復元力でインクを吸い上げる。
Push Knob(PK)
プッシュノブ式
尻軸を回すとせり上がり、それを押すことでプレッシャーバーをたわませ、ラバーサックをつぶしてインクを吸い上げる。尻軸を分離しなくても吸入可能なので失くす事が無い。モンブランが1930年代に好んで使用した。
Plunger Filler(PL)
プランジャーフィラー
尻軸を回して引き上げ、押下げることで胴軸内部を負圧にし中のシールが開放されたときにその負圧によりインクを吸い上げる。オノト式とも呼ばれるが、オノトは尻軸を閉めるとインクを供給が遮断されボタオチしない構造をとっていた。
Vacumatic Filler(VF)
バキューマチック式
アメリカ、パーカー社の専売特許。内部のダイアフラムをポンピングすることでインクを吸い上げる。10回程度ポンピングすることが必要。インクを排出するときは少しづつしか排出できないのが難点。初期のものはバーが折りたためるようになっていた。
Tuch Down Filler(TD)
タッチダウン式
尻軸をはずして引き上げ、押し戻すことで中のラバーサックを押しつぶし、その復元力でインクを吸い上げる。シェーファーの専売特許。
Snorkel Filler(SN)
スノーケル式
尻軸を回すと、ペン芯内部から、管がせり出し、さらに、尻軸を引き、押し戻すとラバーサックが押し潰されその復元力でインクを吸い上げる。多くのシール部品を必要とするが、首軸、ペン先をインクに浸ける必要が無いためインクが付着しにくいメリットがある。シェーファーの固有技術。
Eye Dropper(ED)
アイドロッパー式
首軸をはずし、スポイトなどでインクを吸い上げ胴軸にインクを補給する。大量のインクを入れることが可能だが、体温や気圧の変化で胴軸内部の気圧が高まるとインクがボタオチしやすい。1920年代主流であった吸入方式。
インク止め式(O)
オノト式とアイドロッパー式を足して2で割った吸入方式。首軸をはずしてスポイトなどでインクを入れる。尻軸を締め上げる中のロッド先端のクサビが栓をするため運搬中はインクのボタオチがしにくい。筆記時は尻軸を回して、インクが流れ落ちるようにする必要がある。国産の戦前戦後にロクロ職人が多くいた頃主流であった。日本独特の吸入方式。すべてロクロだけで製作可能なため現在でも手造り万年筆に多く採用されている。大量のインクが入る。