モンブラン１３８マイスターシュティック。
生産年が短く、格上のＬ１３９より良品は少ない。
１３６より約１ｍｍ太いサイズで絶妙なサイズ。美しいプロポーションになっている。
ロングインクウィンドウバージョンの初期型。
しかも、フランス仕向けバージョン。
フランスでは古くから１８ｋ以上のＡｕ含有量以外は
”Ｇｏｌｄ”として販売することは出来なかった。
当時、モンブランの１３ｘマイスターシュテュックシリーズは
１８ｋ仕様のニブを持たなかったため、なんと、
２０年も昔のマイスターシュテュックの”１８ｃ”ニブを装着しフランスに輸出した。
キャップと胴軸はセルロイドで、本国向けはノーインプリントまたはキャップに”MONT⊿BLANC”、”Meisterstück”の刻印がなされるが、
フランス向けでは胴軸に”MONT⊿BLANC”と”IMPORTE D’ ALLEMAGNE”
＝「ドイツより輸入」の刻印が入る。
また、天冠には通常”MONTBLANC”、”MISTERSTÜCK”の刻印が入るが、
これにはフランス語のマイスターシュテュックを意味する
”CHEF-D’OEUVRE”の刻印がなされる。
１３８のペン先は通常、”２４５”の刻印がある＃４０などに使用されてきたサイズのニブと
一回り小さい”＃３５”や”１３６”と同サイズの”２３５”タイプのニブの２バリエーション存在する。
今回の品は”＃３５”サイズのニブで１３６や１４６と同サイズの１８ｃのニブを持つ。
ちなみに１９５０年代の１４６の時代に入ってからは
”１４６”ニブの１８ｃ仕様も生産され主にフランス向けに輸出された。
この”＃３５”ニブは恐ろしくしなやかで正にゴールドの筆。
カリグラフィックな線が描ける。
極めて貴重でヒストリカルなコレクションだ。