１９５０年代の１４９は現行のものと形はほとんど同じだが材質、構造は大きく異なる。
まず、軸素材はすべてセルロイド製。透明インクビューを作るために手の込んだ作り。
インクウィンドウはショートウィンドウのアンバー。
初期の頃はキャップを閉じたときにウィンドウが見えるセミロングウィンドウもあった。
ウィンドウの長さも種々あるがこれは中～後期に見られるタイプ。
キャップの3本リングの上下は銀無垢。
クリップは付け根が丸みを帯びたデザイン。
吸入はテレスコピック式といわれピストンのスピンドルが望遠鏡のように
2段に伸縮しより多くのインクを吸入できようになっています。キャパシティは約３ｃｃ。
ペン先はＬ１３９後期型から継承したデザインで
50年代の型はめっき装飾を変え70年代前半まで使用された。
しかも、このペンは１８ｃのフランスなどに向けた輸出モデル。
キャップリングは”Meisterstück”のままだが”MADE IN　GERMANY”とキャップに刻まれる。
しかも。ニブ差し込み部分には”L149″の刻印がある極めて稀なニブ。
Ｌ１３９は後期型では”L139”と刻まれる。
５０年代の１８ｃニブは１４９のラグジュアリーバージョンなのだ。
ペン芯は人気のフラットタイプ。もちろんエボナイト。
天冠のホワイトスターは象牙調のセルロイド。
ペン先は柔らかなEF。筆圧に応じ筆致が変わる。
胴軸とキャップに２カ所ほど打痕があるが全体としては大変素晴らしい状態。