戦前、戦中、ペリカンはハノーバーの設備を一部移転しミラノで生産していた時期があった。
これはその頃の１００Ｎ。
しかしながらその仕様はドイツ生産の物と細部が異なる。
大きな違いはバレルがクリアなセルロイドと無垢マーブルのものをジョイントして製作されている点。こちらの方が手間がかかる。
そのためドイツ製のようにスリーブの段差がない。（image06参照）
キャップはセルロイドでピストンはプラスティック。グレーの色合いは他のグレーとは一線を画する深み感と水墨画を思わせる絶妙なマーブリング。
しかも、尻軸側には一段盛り上げた小さな名入れスペースがある。これは他には見られない。
クリア部分も淡いグリーンで素晴らしく上品。
ペリカンのヒストリカルなコレクションだ。
ペン先は球状に反り上がった戦前のクーゲル。
Mよりやや細めだが弾力があり心地よい書き味。